(前列左から、伊瀬茉莉也さん、花澤香菜さん、浪川大輔さん、宮野真守さん |
―キャラクターの印象をお聞かせください。
ジンは普通ではあり得ないような重い経験をしていて、周りの環境に巻き込まれ心を閉ざしてしまったキャラクターです。不器用で真っ直ぐ過ぎて周りの人が理解できない部分があるような、非常に複雑なキャラクターだと思います。
「正義とは」というところにさまざまな思いが集まっていて、それぞれの正義や闘う意味が複雑だったりする中、主人公のジンとは違う正義感を高雅は抱いています。
単純に正義に対する憧れや自分が恵まれている立場にいるからこそ感じてしまう孤独感・寂しさ、そういった心の葛藤が凄くあるキャラクターなので、その辺をしっかり演じていけたらと思っています。
小葉ちゃんは可憐で品がよく見た目も凄く可愛らしい女の子です。
お兄ちゃんの高雅の真っ直ぐすぎる感じをちょっと心配しながらも一緒にいるのですが、彼女自身も正義感が強くてボランティア活動をお母さんと一緒にしています。
どうやらジン君のことが気になるようなので、その恋模様がどうなっていくのかが気になります。
花子は物語の途中から登場するキャラクターで、思っていることをズバズバ言いますし物怖じもしないですし、人の間合いに入ってくるような好奇心の強い女の子です。
小葉とは対照的でがさつで、どんな境遇でも生きていけるような強さを秘めていると思いますし、今後ジンと出会うことによってジンにどんな影響を与えて彼女自身もどう変わっていくのか気になります。
灰谷は表情や佇まいから察するに何か企んでいそうと思われるかもしれませんが、
分かり易く企んでいます(笑)。
彼の信念というか望む方向に人を操るために話す言葉の中に時々真実が混ざっていたりするので、真意の読み取れないキャラクターです。
今のところ高雅の良き協力者になるべく活躍しているキャラクターなのですが、
その真意とは果たして何なのか乞うご期待(笑)。
―印象に残ったシーンや台詞をお聞かせください。
僕は出てないのですが(一同笑)やはり1話のジンも良かったですし、回想で出てきたジンも良かったですし、あとやっぱり じィちゃんとのお別れのシーンは非常に楽しみでした。
序盤でのおばさんとのシーンで衝撃的なシーンがあるのですが、そこはびっくりしました。
ZETになるところは演じていて本当に体力の底まで使うような感じだったので、自分としてはZETを受け入れられない所の流れが非常に印象深く大切な部分だと思っています。
正義に対して純粋すぎて真っ直ぐすぎて自分が正義を行使していくことに迷いが無いところが高雅の言葉の端々に現れています。そのため自分の正義を素直に語ると周りに笑われてしまうこともあります。パーティーの席で将来の夢を聞かれて迷いなく「正義の味方です」と答え会場中が笑うというシーンがあったのですが、アフレコスタジオ内の皆様も笑っていました。それが印象的でした(笑)
これまで兄を見守っていたのですが、ちょっと溜まっていたものを出したくなってしまって、
高雅に思っていることをぶつけるシーンは印象に残っています。
やはり初登場のシーンは印象に残っています。
ジンと家で普通にご飯を食べているシーンなんですが、その日常会話的なところが凄く好きで気に入っています。
ジンも高雅も色々苦しみますが、灰谷に関しては自分がやりたいように迷いなく突き進んでいるので良かったなと思います(笑)。
小葉が高雅に対して「お兄ちゃんの正義って何?」って聞くんですが、
それに代表されるように「正義って何かな?」「灰谷は正義ではないと言えるのかな?」と思いました。
特撮ヒーローを愛する僕にとって、アルファスが発進するシーンは鳥肌が立ちました(笑)。
物凄いお金を手に入れたら絶対にパワードスーツとかを作って街に繰り出してやろうと思っていた幼少時代の僕の夢が描かれていたので凄く印象に残っています。
―「ZETMAN」の魅力をお聞かせください。
緻密に計算された人間関係だったり、正義とはなんなのか?ということもあるのですが、
人の生きることや誰にでも当てはまることを深く突き詰めている作品だと思っていて、
そこを短い話数の中でどれだけ表現できるのか悩んでしまうくらいなんです。
先生も言っていましたが、大河ドラマみたいなものなので、どこがというよりも全体がひとつの大きな問題定義というかメッセージ性のあるところが魅力のひとつだと思います。
原作の「ZETMAN」は今なお続く長編の作品で、そこではひとりひとりのストーリーを事細かに描いていたり人物に寄り添ってストーリーが進んでいます。浪川さんと桂先生と3人で取材をさせていただいた時に、桂先生もシナリオの打ち合わせに入って1クールの話数の中で新しくエンターテイメントな「ZETMAN」を作っていると仰っていたのがとても印象的でした。
アニメ版「ZETMAN」は物凄くど派手なシーンや、ストーリーも凝縮された中で何をどう伝えるかというところが緻密に計算されていて、それをスタッフの皆様がまとめてくださっていると思うので、僕自身もアニメ版の「ZETMAN」がどういう終わりを見せるのか凄く楽しみにしているところです。
原作を知っている方も新鮮な気持ちで見れること間違いなしなので、ぜひエンターテイメントな世界観を楽しんでいただきたいと思います。
人間臭いキャラクターたちが魅力だと思います。色々な人が色々な思いを交差させていて最終的にどうなるのかが凄く気になるので、そういう部分も見ていただきたいと思います。
原作の絵に凄く説得力があるので、それがアニメになって動いてとなると、より「ZETMAN」の世界がエンターテイメント作品として確立するんだろうなと思います。
お話もちゃんと考えられていてまとまっているので、原作ファンの方も期待してくださって良いと思います。とても魅力的なのでお楽しみにしてください。
凄くハードなんです。安い慰めが存在しない。
特にジンに関しては良い事はほとんど起こらないと言っても良いくらいです。
色々な人物がそれぞれの思惑を抱いて行動している訳ですが、果たしてジンに害をなす人が悪だと言えるのだろうか?と考えさせられるハードな展開になっていると思いますので、じっくり見ていただければと思います。
僕は桂正和さんの作品が大好きで、原体験である桂正和さんの作品は
「ウィングマン」という漫画で、僕の初恋の人は「ウィングマン」のアオイさんでした。
長いですよこの話(一同笑)
短くするので聞いてください(笑)。
最大の魅力は桂正和さんの原作であるということだと思います。
桂さんって凄くヒーローが好きで特撮番組を凄く愛してらっしゃる方で、
その方が自分が思うヒーローを漫画にされているということで、
僕も連載が始まったときから読んでいるのですが、この原作をどうやって
アニメのスタッフが料理するかが凄く楽しみですし、
きっと新しい化学変化を生むと思っていますので、そこが最大の魅力になってくると思います。
―作品を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。
自分にできることはまず期待を裏切らないことだと思うのですが、
それにはどうしたら良いか?と考えると、今回は全体とかバランスではなく、
ジンをどれだけ背負えるかというのが勝負になってくると思います。皆さんが聞く言葉や文字の重みをいかに届けられるかというのが
この作品で僕がやる大きな仕事なのかなと思うので、
全力を尽くすしかないという気持ちでいっぱいです。
全力で体当たりして作っていきますので、ぜひ感じて頂ければ嬉しいです。
高雅君という存在が僕はとても好きで凄く魅力を感じています。
そこがとても人間臭くて大好きで、役者として楽しんで演じさせていただいています。
そういう思いもテレビを通して皆さんに伝われば良いなと思っています。
結構小葉は目の前の事を冷静に受け止めていると思うのですが、
これからどんどん色々な事に巻き込まれていって、そこで小葉がどう対応していくのか、
一緒に巻き込まれながら演じていきたいと思っていますので見てください。
私も元々原作を知っていて、オーディションの時から田中花子というキャラクターを
演じさせて頂きたいと思っていたので、その思いが叶って嬉しく思っています。
リアリティのある作品だと思うので、自分に与えられたキャラクターを、
作品の中で生きさせてあげられるように全力で頑張っていきたいと思いますので、
ぜひ見てください。
灰谷というキャラクターは原作ではかなり後のほうになってから登場するキャラクターなのですが、アニメでは1話から登場しています。かなり活発に話が動いていくのではないかと思います。
僕ら自身もどのようにお話の決着がつくか分かりません。ジンや高雅、色々な人が壮絶な目に合うと思いますので、それをしっかりと見守って頂ければと思います。
ヒーローを扱う作品としては、ある種タブーでもある正義とは何か?というのを真正面から描いている作品だと思います。どんな結末を迎えるのか僕も気になっています。
ぜひ皆さんも期待して楽しんで頂ければと思います。
―ありがとうございました。