体が切り裂かれる奇怪な連続殺人事件が世間を賑わせている中、少年 神崎人(カンザキジン)は、貧しいながらもじィちゃんと一緒に幸せに暮らしていた。またジンは幼なじみの天城高雅(アマギコウガ)とその妹 小葉(コノハ)とともに人助けをしていた。その見返りにお金を貰おうとするジンに、高雅は「正義とは見返りを求めない」と真面目に説教する。そんな二人の光景に小葉はただ呆れるばかり。ジンは高雅達と別れ家に帰ると、そこには血だらけのじィちゃんの姿が…。死が理解できないジンは、雨の中じィちゃんの遺体をカートにいれて、あてもなく彷徨い歩くのだった。一方そんなジンを、巷を騒がす連続殺人鬼が探していて…。
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:鍋島 修/高谷浩利
演出:鍋島 修 作画監督:岩佐裕子 美術:吉原俊一郎
数年後…。高雅は姿を消したジンのことを気にかけながら、正義のために悪と戦う準備をしていた。大企業アマギコーポレーション社長の息子である高雅。皆が集まるパーティの席で、高雅は「夢は正義の味方です!」と宣言する。そして最近起こっている連続放火事件の犯人を捕まえるために、嫌がる小葉を連れてパトロールへ出動する高雅。そして火災発生。その火災現場には、なぜかジンの姿があった! ここ数年ジンは、明美とまるで本当の親子のように慎ましやかに生活していた。そんなジンの前に現れた放火犯の男。男は己の体を怪物へと変化させて、ジンに襲いかかる!
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:本多康之/高谷浩利
演出:原田奈奈 作画監督:戸部敦夫 美術:吉原俊一郎
目を覚ましたジンの前には、変わり果てた明美と怪物が…!愕然とするジンを別室で見つめている老人 光鎧は、ジンをZETとして覚醒させようとしていた。ZETへの覚醒の条件は、ジンの内なる感情と関わりがあるらしい…。それを知った光鎧は、ジンにある実験を試みる。そしてジンはついにZETへと変身を遂げる…!そのZETは不完全のようだが、目の前の怪物を一撃で圧倒してしまうような力を発揮。ジンは己の姿が人間でなくなったしまったことに驚きを隠せない。そして、ZETの細胞組織が不安定となり、ジンの体に変化が起こる…。このままではZETそして、ジンは永遠に失われてしまう…!?
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:菅井嘉浩/高谷浩利
演出:菅井嘉浩 作画監督:清水貴子 美術:吉原俊一郎
2年後。世の中はプレイヤーの仕業による殺人事件が後を絶たなかった。だが未だにプレイヤーの存在は世に知られておらず、人々はただならぬ不安と恐怖の中にいた。プレイヤー殲滅のためZET覚醒の研究は続けられていたが、いまだに成果を上げることができず…。ジンはZET覚醒への道を選び、身近な人に危害が及ばないように孤独に生きていた。ジンは小葉に久しぶりに再会するが、小葉のためを思って敢えて冷たくあしらう。ジンは家へ戻ると、部屋に誰かがいる気配を感じる。クローゼットの中を覗き込むと、そこにはお尻を突き出して隠れている女の姿が…!?話を聞くと、どうやらその女はプレイヤーから逃げてきた様子で…。
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:本多康之/高谷浩利
演出:坂口竜太郎 作画監督:池内直子 美術:吉原俊一郎
高雅は天城家の資金と技術力を使い、アルファススーツの開発に取りかかる。そしてもう一度「正義」に向き合おうとしていた。そんな高雅のもとに、謎の男が近づく。高雅が正義のヒーローにふさわしいかどうかテストしたいと申し出る謎の男。そのテストとは、「妹 小葉の命を助けるか、女子高生3人を助けるか?どちらかを選べば、どちらかが死ぬことになる…」。肉親の1つの命と、見知らぬ3つの命。正義が救うべきはどちらか?…。高雅は、その問いに苦悩しながら、一方を選択する…。果たしてその選択が導いた結果とは?その頃ジンの家では、田中が図々しく居座りつづけ、さすがのジンも少々戸惑い気味…。
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:鍋島 修
演出:鍋島 修 作画監督:小山知洋 美術:吉原俊一郎
小葉達を人質に取られて、手も足も出ないジン。またZET覚醒を促すガムを持っていないジンは、簡単にZETになることができない。「誰かの命を守る」という事がジンに重くのしかかる。以前のように自らの体を傷つけて、ZET覚醒を試みるジン。しかしZET因子は、次の段階にはいったようで、思うように覚醒しない。なんとかその場を切り抜け、ジンは小葉のもとへかけつけるが、背後からもう一体のプレイヤーに襲われて万事休す…!?そこに現れたのは、全身白いスーツを身にまとった人物。アルファスを装備した高雅が、助けに来たのだ!そしてアルファスは言う…「恐れるな。私は正義だ」と。
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:本多康之/高谷浩利
演出:宮原秀二 作画監督:小谷杏子/小美戸幸代
美術:吉原俊一郎
ついにジンは赤いZETに変身を遂げる!今までとは比べものにならないほどの力を実感するZETは、圧倒的な強さでプレイヤーを追いつめる。一方、高雅はアルファスとして初出動ということもあり、プレイヤーとの闘いに苦戦していた。だが、小葉が無事救急ヘリに収容された事を知り、高雅の意識と連動しているアルファスの機能が再びMAXとなる! そして、アルファスは再びプレイヤーと対峙しようとした時、そこにZETが現れる。敵なのか味方なのかわからない得体の知れないZETという存在に、戸惑う高雅。ZETがジンであることを知らないまま、高雅はZETと共にプレイヤーと戦う!
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:米たにヨシトモ/高谷浩利
演出:原田奈奈 作画監督:安藤義信 美術:吉原俊一郎
ジンがZETとして人知れず戦ってきた事を知る高雅は、ZETを「ZETMAN」と呼び、本当のヒーローに出会えた事に歓喜。そして、高雅はジンと共に悪と戦っていく事を決意する。先ほどのゴーストタウンでの戦いの中、赤いZETから白く戻ってしまった原因は何か…? それを調べるために、ジンと高雅は研究所へ向かうことに。ジンは田中に「帰りを待っている」と云われ、ずっと忘れていた「家族」というあたたかな感情を想い出す。研究所に到着するジンと高雅。そこには、ZETが完全体になるために何が必要なのかを唯一知る人物が、ジンを待ちかまえていたのだった…。
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:堀之内 元
演出:原田奈奈 作画監督:清水貴子 美術:吉原俊一郎
ZET完全体の鍵を握るペンダントは、小葉が持っていた!灰谷の手先達は、小葉が眠る屋敷になんなく侵入することに成功する。眠っていた小葉が目を覚ますと、目の前にいたのはジン。小葉は疑いもせずジンにペンダントを渡してしまう。そんな中、本物のジンと高雅が、小葉のもとに駆けつける。小葉がペンダントを渡した相手は、灰谷の手先達だった。彼らはジンと同じ姿をしており、ZETに変身していく。どうやら現在のZET因子の状態から作りだしたジンのクローンのようだ。もし、ペンダントが灰谷の手に渡ってしまったら、ZET完全体の夢は断たれてしまう…。ジンと高雅は、協力してクローンたちに立ち向かう!
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:坂口竜太郎/本多康之/高谷浩利
演出:坂口竜太郎 作画監督:池内直子 美術:吉原俊一郎
小葉が行方不明になり、高雅の携帯電話には謎の男から連絡がはいる。その男の声は以前、高雅に「正義のテスト」をした人物と同じだった。そのテストで高雅が妹を選んでしまったがゆえに、名もなき女子高生3人は殺されてしまった…。男の罠と知りながら、小葉の行方が気がかりである高雅は、男の言うとおりにする。男の車に乗りこむと、眠らされてどこかへ連れ去られる高雅。そして男は「私を探し出すことができれば、小葉の行方や真実がわかる」と高雅に話す。通路を進んでいくと、高雅の目の前には何故か若い女の子達がパーティーをしている光景が…。果たして高雅は、この新たなる「正義のテスト」を乗り越える事ができるだろうか?
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:本多康之
演出:原田奈奈 作画監督:敷島博英 美術:吉原俊一郎
ミドルタウン。電波ジャックした灰谷は、人類に宣戦布告する。そして、灰谷の指示のもとプレイヤー達が次々に裏返り、人間達を襲いはじめる。そこへZETに変身したジンが現れて、人々を守るため唯ひとりプレイヤー達に立ち向かう…。一方、高雅はプレイヤーらしき怪物を前に、追い詰められていた。だが、非常に苦しい状況の中、高雅は正義を成し遂げようとしている自分にどこか喜びを感じていたのだった…。そして、なんとか事態を切り抜けた時、近くにあったエレベーターが開く…。極限の状況が続いていく中で、高雅の正義は研ぎ澄まされていくのか? それとも崩壊していくのか?
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:菅井嘉浩 演出:菅井嘉浩
作画監督:小美戸幸代/虎助遥人 美術:吉原俊一郎
アマギタワー内。灰谷の攻撃を受け満身創痍のZETは、ジンの姿に戻ってしまう。もはやZETは完全体にならなければ灰谷を倒す事はできないのか…。それにしても灰谷がそこまでZETを完全体にしたい理由は何なのか…? 灰谷が完全体になるためのアイテム「赤い杭」を、ZETの胸に刺そうとしたその時…アルファスが現れて阻止する!だが、アルファスの怒りは灰谷に行かず、全ての悪の源である人物に向かう…。ジンは灰谷に受けた傷によって、この事態をどうする事もできない…。ますます状況が混沌としていく中、ZETが完全体になる時はやってくるのか?そして、それが人類に何をもたらすのか?全ての答えは「赤い杭」だけが知る…。
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:本多康之 演出:本多康之
作画監督:岩佐裕子/安藤義信 美術:吉原俊一郎
「ZET」という過酷な宿命を背負い、孤独の中で戦ってきたジン。アニメのヒーローに憧れ、「アルファス」として己の正義を掲げ戦ってきた高雅。二人が悩み傷つきながら、手に入れたかったものとは、一体何だったのだろうか?…。 また、 二人が迎える結末は本当にこれで良かったのか?…。ずっと二人を見守ってきた小葉は、そんなことを思わずにいられなかった。「ZET」と「アルファス」。二人が戦いの果てにたどりつく答え…「正義」とは何か…「強さ」とは何か…「人間」とは何か…。どういう答えが待ち受けているにしろ、私達は目を逸らしてはいけない…。
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:鍋島 修 演出:鍋島 修
作画監督:高谷浩利/鈴木 勤 美術:吉原俊一郎
©桂 正和/集英社・「ZETMAN」製作委員会